この記事を読んでいるあなたは、
- イーサリアムのマイニングとは何?稼げるの?
- イーサリアムのマイニングを行う方法は?
- イーサリアムのマイニングにはどんなデメリットがある?
上記のように考えているかもしれません。
この記事では「イーサリアムのマイニングのメリット・デメリットや行う流れ」などについてお伝えしていきます。
イーサリアムのマイニングとは
マイニング(mining)とは英語で採掘、採鉱といった意味があり、暗号資産関連としては取引情報を整理、検証してブロックチェーンを新規で作り出す作業のことです。
セキュリティが高く、改ざんと偽造が不可能と言われているブロックチェーンを新しく作り出す際、データを作り、取引の確認と認証を行う第三者の介入が必要不可欠です。
取引とは関係のない第三者が介入することでセキュリティの高いブロックチェーンは維持されており、介入する第三者をマイナー(miner)と呼び、採掘者を意味します。
第三者は介入しても取引内容を知ることはなく、パソコンなどの演算能力をブロックチェーン生成に貸し出して報酬を得るというのがマイニングで利益を得る大まかな流れです。
イーサリアムではプルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work)、通称PoWと呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを採用しており、最初に計算を終えた人が報酬を得られます。
毎回参加すれば報酬を得られるというものではないものの、機器を揃えればすぐに始められるところが大きな特徴となっています。
イーサリアムのマイニングを行うメリット
イーサリアムのマイニングを行うメリットを解説します。
自動的に報酬を得られる
新しくブロックチェーンを作り出す際の計算に参加するだけで、初期投資以降は特になにかをする必要もなく、コンピューター任せで収入を得ていくことが可能です。
ブロックチェーンは新しいブロックを作る際に膨大な計算を行う必要がありますが、人間が計算するには時間がかかり、精度にも不安があるため、不可能だと言われています。
そのため計算はすべてコンピューターに任せ、最初に計算を終えたコンピューターの所有者に報酬を与えるというものが、マイニングに参加する利点です。
参加する人は膨大な計算をコンピューターが素早く行えるよう、効率の良い設定を行い、コンピューターそのものの処理能力といった性能に注力します。
始めるまでの設定や投資といった部分に力を注ぐ必要はあるものの、一度設定してしまえば後は定期的な確認を行うだけで何か行動をする必要はありません。
上手くコンピューターを稼働させて報酬を得ることができれば、稼働時に発生する電気代や始める際に揃えた機材などの初期投資費用はすぐに回収できます。
ガス代高騰により得られる報酬が大きい
暗号資産として使用する際には手数料や仲介料といったものが高いと使用を躊躇してしまいますが、マイニングでは高い仲介料が大きな利点となります。
新しい技術として注目されているイーサリアムのブロックチェーン技術は様々な場面での活用が広がっているものの、使用が広がるに従って処理能力が落ちてしまっています。
落ちた処理能力を改善するための改善費用として、イーサリアム使用時のガス代、手数料が高くなっているのは長く問題になっています。
しかし仲介料が高いということはそれだけ活発に使用されている、需要があるという意味になるため、高騰すればするほど計算処理を行う人たちへの報酬となって還元されます。
使用する側では高い仲介料をどうにかして抑えたり、回避したりする方法を考えるものの、計算をして報酬を得る人たちにとっては高い仲介料は嬉しいことです。
今後、仲介料の高騰は改善されていくと考えられていますが、同時に技術の使用拡大によって需要の増加も予想されているため、高止まりは継続されると言われています。
ビットコインのマイニングよりも難易度が低い
暗号資産の代表的存在であるビットコインでも計算を行って報酬を受け取る方式に対応していますが新規参入は難しく、対してイーサリアムは今からでも新規参入は可能です。
ビットコインは暗号資産の代表格という存在であることから競争相手は国や企業となり、個人や少人数でこれから新規参入しても報酬を得ていくのはとても難しいです。
しかし2番目に需要が高いと言われているイーサリアムは比較的参入難易度が低く、これから始めたいと思っている方でも設備さえ整えれば参加して報酬を得ることは可能です。
また、ビットコインとイーサリアムでは同じ計算量でも電気消費量が大きく異なり、イーサリアムであれば個人でも賄えるものの、ビットコインはほぼ不可能だという調査結果もあります。
他にも同じ性能を持った機器で参入した場合、イーサリアムはビットコインのおよそ2倍の報酬を受け取ったという結果もあります。
以上のことから、これから計算処理に参入していきたいと考えた場合、イーサリアム向けに特化した設備を整えて参入できれば報酬は得やすくなると考えられます。
イーサリアムのマイニングを行うデメリット
イーサリアムのマイニングを行うデメリットを解説します。
初期費用と莫大な電気代がかかる
膨大な計算を素早く行い、一番早く計算を終えた人に報酬が支払われるシステムとなっているため、競争で勝つには高い処理を高速で行えるパソコンが必要となります。
処理能力が低ければ値段は安く抑えられますが競争に勝てず、処理能力が高いパソコンはその分購入時の値段も高くなり、最初の導入費用を抑えるのははほぼ不可能だと言えます。
最初に導入する機材を抑えて少しだけ参加してみる、様子を見てみるといった中途半端な参入をしてしまうとマイナスになってしまうため、始めるなら徹底的に初期投資を行う必要があります。
また、機材を揃えて競争に参加したとしても継続してパソコンを動かす電気代が必要となり、導入の費用と継続して必要となる電気代以上の稼ぎになるかが重要です。
中途半端な機材では競争に負けて報酬を得られず、機材の費用を回収することもできず、電気代ばかり掛かるといった状況になる可能性も考えられます。
上手く競争に勝てるのであればパソコンに任せっきりでも稼げるのは魅力的ですが、中途半端な参加は負担が大きくなるというところは、参加前に考える必要があります。
必ず報酬を得られるとは限らない
現在イーサリアムにて採用されているプルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work)、通称PoWは、最も早く計算処理を終えた人にのみ報酬を支払うというものです。
つまり、計算に参加したものの2番目、3番目に計算を終えた人は報酬を受け取れず、パソコンの稼働に使った電気代だけが加算されてしまい、マイナスとなります。
また、同じ計算でも安定した収入になるとは限らず、競争に参加する人の人数や計算する暗号資産銘柄の価値、計算する内容の難易度にもよって報酬は日々変動しています。
特に暗号資産の価値は、日ごとはもちろん分や秒といった単位で大きく変動するものであり、毎月安定した収益を出すことは難しく、赤字となる場合も考えられます。
暗号資産の価値は需要の高まりによって今後は上昇傾向にあると言われていますが、1つの銘柄が暴落するだけで暗号資産全体の価値が大幅に下がったことも過去にはあります。
設定と環境を整えておけば後は勝手にパソコンが稼いでくれるものの、確実に利益になるほど稼げるものではないところは覚えておく必要があります。
個人でマイニングで稼ぐことは難しい
処理能力の高いパソコンを用意するという投資さえ行えば稼げるところは大きな魅力であるため、企業や国の単位で暗号資産の計算に参加している人たちもいます。
しかしパソコンの処理能力は個人であっても太刀打ちできる可能性はあるものの、機器による計算に必要不可欠な電力は個人の力だけでは勝てない要素です。
電力は常に稼働し続けているパソコンを動かす際に必要となるだけでなく、稼働を続けているパソコンが発生させる熱を逃がすための冷房も必要となります。
大掛かりな処理を行えば行うほどパソコンは熱を発生させるため、パソコンを動かしている際は常に冷房などの空調も稼働させる必要があり、個人で対抗するのは難しいです。
現在参加している企業や国も、なるべく電気代が低く抑えられる国に専門の施設を作り参加しているほどであることから、今から個人で参加するには高い壁があります。
継続して必要となる電気代や初期の機材購入費と、計算処理に勝って得られる報酬を比較して、黒字にするのは難しいと言えます。
イーサリアムのマイニングを行う流れ
イーサリアムのマイニングを行う流れは、以下の通りです。
- 高性能PCや周辺機器を用意する
- ウォレットを準備する
- マイニングプールへ登録する
- マイニングソフトをダウンロードする
- マイニングを開始する
それぞれの手順を詳しく解説します。
高性能PCや周辺機器を用意する
個人で始めたい場合、計算の競争で勝つために高速で計算処理が行える高性能なパソコンを用意する必要があります。
一般的に売られているパソコンでは処理能力で勝つことはできないため、ゲーミングパソコンや自分で高性能なパソコンを組むといった用意が必須です。
高性能なパソコンを用意できた後も、パソコンが稼働する際に発生する熱を逃がすための冷却ファンなどの周辺機器や稼働させる部屋の環境なども整えます。
計算処理には多くの電力が必要となり、それに伴って多くの熱も発生するため、冷却関連の機器投資を蔑ろにしてしまうと最悪の場合発火といった可能性も考えられます。
実際に処理を行うパソコンに力を注ぐことはもちろん、使用するコンセントや特に冷却関連の周辺機器にも手を抜かないようにするのは重要事項の1つです。
ウォレットを準備する
計算処理を行って得られた報酬はすべて暗号資産、イーサリアムの計算処理を行った場合はイーサリアムにて支払われるため、暗号資産を保管するウォレットが必要です。
保管するウォレットには様々な種類がありますが、おすすめは多数の銘柄に対応していることや使用者が多く有名であるMetaMask(メタマスク)です。
MetaMask(メタマスク)は、多くの暗号資産関連サービスでも紹介されているウォレットであることから信頼性は高く、また使用者も多いです。
Google Chromeであれば拡張機能から簡単に導入できるところも、分かりやすく便利という大きな利点になります。
獲得した暗号資産の保管はセキュリティや利便性の観点からウォレットの使用が推奨されており、MetaMask(メタマスク)はおすすめのサービスです。
マイニングプールへ登録する
暗号資産の価値が高騰するにつれ新しく制作していく際に必要となる計算の需要も高騰し、企業や国が参加を始めたことによって個人で稼ぐのは難しくなっています。
個人が計算処理に参加して利益を得るにはインターネットを介して協力者を募り、大人数で計算を行って企業や国の性能に勝ち報酬を得る方法が現在では主流です。
協力者を募って計算処理に参加する際には参加者を募るサービスへ登録する必要があり、Miner Gate、Binance pool、HiveonPoolなどが有名です。
登録後は個人で行うのと同じくパソコンに計算処理を任せるだけですが、報酬は処理に貢献した度合いで分配されるため、個人よりも稼ぎにくくなっています。
また、自分で計算処理を行う以外にも、計算処理をしている企業へ出資することで利益を得るといった方法もあります。
マイニングソフトをダウンロードする
自分がどのような形で計算処理に参加したいかにもよりますが、計算処理を行うには専用のソフトをダウンロードする必要があります。
ダウンロードするソフトにも様々な種類があり、計算処理に参加したい暗号資産銘柄に適応しているかどうかは重要な選択のポイントです。
様々な銘柄に対応しているソフトは流用が可能であるところは魅力ではあるものの、1つの銘柄や特定の銘柄に特化したソフトの方が効率よく処理できることもあります。
有名で初心者にも優しいと言われているソフトは、NiceHashやMinergate、イーサリアム対応ではClaymore’s Dual MinerやAwesome Minerなどが有名なソフトです。
なお、インターネットで参加者を募って計算処理に参加する場合、指定ソフトでの参加が条件になっている場合もあるため注意が必要です。
マイニングを開始する
処理能力の高いパソコンを用意し、発熱への対応も万全、ソフトもダウンロードまで完了できれば、計算処理に参加していきます。
主にソフトが表示していく内容に従って必要事項を入力して行くだけで準備は整えられ、計算処理は自動的に始めることができます。
計算処理が始まればあとは操作をする必要はなく、定期的に計算処理が行われているか、不具合はないか、支払われた報酬の確認などをするだけです。
ある程度報酬となる暗号資産、今回はイーサリアムが貯まったところで暗号資産取引所を経由してイーサリアムを売却し、日本円に変換すれば利益を得られます。
イーサリアムのマイニングの将来性
現在のイーサリアムは計算処理を行う際、誰よりも早く計算ができた人に対して報酬を支払うプルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work)、通称PoWを採用しています。
しかしPoW方式は莫大な費用で初期投資ができる企業や国に有利となって新規参入が難しいことに加え、素早く処理を行うために莫大な電力を消費するところも問題となっています。
今後は問題改善のために、保有しているイーサリアムの量と保有期間に合わせて報酬が支払われるプルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake)、通称PoS方式に変更するという発表があります。
実際に方式がPoWからPoSへ変更となった場合の動きは未知数であり、使用者にとって利益となるか不利益となるかは不明です。
PoS方式に変更となった場合の問題点も指摘されているため、参加を検討中の方は今後の情報に注視が必要です。
イーサリアムのマイニングについてよくある質問
イーサリアムのマイニングに関するよくある質問を回答します。
マイニングで得たイーサリアムは課税対象になる?
計算処理によって得られた報酬は雑所得として、獲得したイーサリアムを日本円に変える際に価値が高騰していた場合はさらに課税対象となります。
暗号資産は売買する瞬間によって価値が変わる時価であるため、計算処理を行って報酬を得られた時点の時価、報酬を日本円に変えた際の時価が異なる場合があります。
それぞれ処理を行ったタイミングの時価がどれくらいであったのかは記録しておき、後ほどすぐに確認できるようにしておくことがおすすめです。
マイニングできる通貨は?
イーサリアム以外でも計算処理に参加できる銘柄は多数あり、個人での参加はほぼ不可能と言われているビットコイン、草コインとして有名なドージコインも対応しています。
他にもライトコインやビットコインキャッシュ、イーサリアムクラシック、モナコインなどもPoW方式にて対応しています。
有名であるビットコインやイーサリアムは参加する際に用意しなければならない設備が多く壁は高いものの、参加して得られる報酬はかなり高いです。
対してあまり有名ではない銘柄は個人でも十分に報酬を得られるものの、一度で得られる報酬は低く、多数の計算を行わなければ初期投資費用や電気代を賄うことはできません。
どの銘柄にも長所と短所があるため、自分の用意できる環境や得られる報酬を予想して、参加する銘柄を慎重に選ぶ必要があります。
マイニングを行うために資格やスキルは必要?
特別な資格やスキルは必要ありませんが、パソコンの基本的な知識や暗号資産関連の仕組みなどは理解しておくのは必須であり、始める前にある程度の勉強は必要となります。
たとえば計算処理を行えるパソコンを用意する際に高スペックと謳われているものをただ買うのではなく、必要な能力を理解しておかなければ能力が足りない事態も起きます。
銘柄によっても必要となる速度は異なり、処理能力が高ければ高いほど良いものではあるものの、比例して値段も高くなるため費用回収に時間が掛かります。
個人ではマイナスが続くと継続して行くのは難しく、特に始めたばかりの方はなるべく早く費用回収をして利益を作れるようになることが重要です。
また、将来性の低い銘柄では利益を得られない、日本円に換算すると利益が薄い、突然価値が暴落したといった銘柄ごとの事情もあるため、暗号資産関連の情報収集も重要です。
イーサリアムのマイニングのメリットや流れまとめ
この記事では、「イーサリアムのマイニングのメリット・デメリットや行う流れ」などについてお伝えしてきました。
最初に環境さえ整えておけば後はパソコンが勝手に利益を生み出してくれるところは魅力であるものの、確実に稼げるものではないというところは留意しておく必要があります。
また、イーサリアムの場合、今後は現在のPoW方式からPoS方式に変わることで環境も変わり、必要な処理能力にも変化がある可能性も考えられます。
今後どのような展開になっていくかは利益に大きく関わってくるため、注視していくことが推奨されます。