この記事を読んでいるあなたは、
- NFTの仕組みや特徴について知りたい
- NFTの定義や注目されている理由を知りたい
- NFTの将来性や課題、活用事例などを知りたい
上記のように考えているかもしれません。
今回は、そんなあなたに向けて「NFTの仕組みや特徴、将来性や活用事例」などをお伝えしていきます。
NFTとは
NFTとは、ブロックチェーン上で発行(取引)される偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータのことです。
NFTは「Non-Fungible Token」の略で、fungibleは代替可能という意味であり、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産と同じく、ブロックチェーン上で発行および取引されています。
NFTが注目されている背景
出典:https://opensea.io/assets/matic/0x28009881f0ffe85c90725b8b02be55773647c64a/20
NFTが注目されている背景としては、高額取引されているNFTコンテンツの存在が大きいです。
2021年3月22日、米Twitterと米SquareのCEOを務めるジャック・ドーシー氏がオークションに出品した初のNFTツイートが、291万5835ドル(約3億1640万円)で落札されました。
このように、NFTの登場によってこれまで価値の付かなかったデジタルデータに価値がつくようになったといった点が、NFTの注目度を上げている大きな要因の1つとなっています。
NFTとイーサリアム(ETH)との関係
NFTは、イーサリアム(ETH)のブロックチェーン上で取引されることが大半です。
そのため、イーサリアムはNFTの分野でも注目されています。
NFTとしてイーサリアム上で作品を販売すると売買取引の利益がブロックチェーン上に記録されるため、購入者は所有権を持っている(購入履歴がある)ことや、作品が本物であることを証明することが可能になります。
例えば、コンサートのチケットをNFTで発行しイーサリアム上で取引を行って購入者情報と座席番号を結び付けることで、第三者による複製や安易な転売を防ぐといった使い方も可能になります。
なお、イーサリアムの他にも、テゾスやエンジンコインといった仮想通貨もNFT関連の銘柄として注目されています。
NFTと仮想通貨の違い
NFTと仮想通貨(暗号資産)には、以下のような違いがあります。
NFT | 仮想通貨(暗号資産)/FT | |
---|---|---|
代替性 | 代替不可能 | 代替可能 |
内容 | 同じトークンが存在しない | 同質のトークンが存在する |
分割可能性 | 不可能 | 可能 |
ETH規格 | ERC20 | ERC721 |
活用分野 | ゲーム、不動産、デジタルアート、トレカ、etc.. | 暗号資産など |
NFTと仮想通貨の違いを一言で表すと、唯一性が証明されているかどうかという点です。
NFTは、ゲームやアート、不動産やトレカなど、様々な分野で活用されています。
NFTの仕組み/特徴
NFTの仕組みや特徴を解説していきます。
デジタルデータの代替が不可能になる
NFTの特徴の一つとして、デジタルデータの代替が不可能になるといった特徴があります。
従来のデジタルデータは、技術の発展に伴いデータのコピーや改竄が容易にできたため、現物の美術作品や宝石、ブランド品のように高額な資産価値を付けることが困難でした。
しかし、NFT技術の登場によってデジタルデータのコピーや改竄が不可能になり、デジタルデータの唯一無二性を証明できるようになったため、デジタルデータにも資産価値を持たせることが可能になりました。
デジタルデータの取引が可能になる
NFTの特徴の一つとして、所有しているデジタルデータの取引(売買)が可能になるといった特徴があります。
NFTは非中央集権的なブロックチェーンによって管理されているため、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産と同じように、自由に取引・売買することが可能です。
NFTは国や既存の枠組みにとらわれることなく、世界中の人と自由に取引することができます。
プログラマティでデータに機能を付与できる
NFTの特徴の一つとして、プログラマティでデータに機能を付与できるといった特徴があります。
プログラマビリティとは、二次流通で手数料を徴収するなどの付加機能をデータにプログラムできることです。
プログラマビリティを利用することで、NFTが作者の手元を離れても「流通時には購入代金の一部が作者に振り込まれる」といったような仕組みを作ることも可能です。
そのためNFTを活用すれば、作者がJASRACのような著作権を管理する中間団体を介さずとも、継続的に手数料を徴収することができるような仕組みを構築することが可能になります。
NFTのメリット
NFTのメリットは主に以下の4つです。
- デジタルデータの唯一無二性を証明できる
- デジタルデータに価値を付与できる
- データの破壊・紛失リスクが小さい
- 誰でも作品の作成や売買ができる
それぞれ詳しく解説していきます。
デジタルデータの唯一無二性を証明できる
NFTのメリットの一つは、デジタルデータの唯一無二性を証明できることです。
これまでデジタルデータは、書き換えやコピーが容易であるため、簡単に価値を証明することができませんでした。
しかしNFTでは、ブロックチェーン技術を活用することで、データの唯一無二性を証明することができるようになりました。
その結果、これまで価値のなかったデジタルコンテンツに価値がつくようになり、多くの人がNFTを作成したり売買したりするようになっています。
デジタルデータに価値を付与できる
NFTのメリットの一つは、デジタルデータに価値を付与できることです。
デジタルデータは従来、改ざんやコピーが容易であったため、データ自体に価値を持たせるのは難しいといった状況がありました。
しかし、ブロックチェーンの登場により、改ざんやコピーができなくなる仕組みが構築されました。
それにより、デジタルデータにも美術作品やブランド品などと同様に資産価値を持たせることが可能になりました。
データの破壊・紛失リスクが小さい
NFTのメリットの一つは、データの破壊・紛失リスクが小さいことです。
現物の美術作品やブランド品とは異なり、コピーはできず、破壊も容易ではありません。
そのため、第三者によって手元にあった価値が破壊されたり盗難されたりするといったリスクを低くすることが可能になっています。
誰でも作品の作成や売買ができる
NFTのメリットの一つは、誰でも作品の作成や売買ができることです。
NFTと聞くと、一見難しそうに思えてやる気が出ないという方も多いのではないでしょうか。
しかし、NFTの作成や売買に特別な資格や技術は必要ありません。
実際に、日本で当時小学校3年生が夏休みの自由研究の一環で、作成したピクセルアートをNFTで販売したところ、アメリカの有名DJが落札したことで、380万円の価値がついたといった事例もあります。
このように誰でも作品の作成や売買ができるのがNFTのメリットです。
NFTのデメリット
NFTの主なデメリットは主に以下の3つです。
- 法律が十分に整備されていない
- ガス代(手数料)が乱高下していて不安定
- 現実世界で「モノ」として所有できない
それぞれ詳しく解説していきます。
法律が十分に整備されていない
NFTのデメリットの一つに、法律が十分に整備されていないといったことが挙げられます。
NFTが盛り上がり始めたのはつい最近のため、取引上のルールや創作者の権利、著作権問題など、法整備追いついていないのが現状です。
NFTを販売しているサイトプラットフォームによってもルールがまちまちであることが多いです。
購入者や創作者がどれほど理解しているかによるため、安心して取引ができる環境になるまでは注意が必要です。
ガス代(手数料)が乱高下していて不安定
NFTのデメリットの一つに、ガス代(手数料)が乱高下していて不安定といったことが挙げられます。
NFTを取引する際に、イーサリアムを経由して契約するスマートコントラクトで発生する手数料を、通称ガス代と呼びます。
ガス代は、ユーザーの通信量に応じて高額になっていくため、NFTが盛り上がり始めた2021年を境に急激に高騰しています。
NFTアートがさらに盛り上がり、ユーザーが増えていくに応じてガス代である手数料が高騰していくことが予想されており、今後も不安定な状態がしばらく続くとされています。
現実世界で「モノ」として所有できない
NFTのデメリットの一つに、現実世界で「モノ」として所有できないといったことが挙げられます。
NFTはあくまで扱いが「データ」であり、観賞用のアートとして所有したい場合は不向きになります。
デジタルアートを鑑賞する際は、観賞用のモニターを用意する必要があり、普通の絵画作品のように飾ることはできません。
現実世界で「モノ」として所有できないことは、NFTだけでなくデジタル資産の根本的な問題となっています。
NFTの取引方法/買い方
NFTの取引方法や買い方を解説していきます。
NFTの取引方法は非常に簡単なため、初心者でも気軽に始めることが可能です。
1.仮想通貨取引所でイーサリアム(ETH)を購入
NFTの決済通貨は、イーサリアムなどの仮想通貨であることが大半です。
そのためイーサリアムを所有していない方は、仮想通貨取引所でイーサリアム(ETH)を購入する必要があります。
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2.仮想通貨のウォレットを作成
次に、仮想通貨のウォレットを作成します。
ウォレットとは、仮想通貨を一次的に管理することができるサービスのことです。
ウォレットの代表的なものに、MetaMaskがあります。
Google Chromeをお使いの場合、Chromeウェブストアにて「Metamask」と検索し「Chromeに追加」をクリックすることで利用できます。
3.取引所からウォレットにETHを送金
次に、購入した仮想通貨をウォレットに送金します。
仮想通貨取引所のメニュー画面から、送金する通貨を選択します。
宛先を選択して、送金する金額を入力したら送金完了です。
4.NFTマーケットプレイスとウォレットを連携
仮想通貨ウォレットにETHの送金ができたら、NFTを購入できるNFTマーケットプレイスに登録します。
国内の代表的なNFTマーケットプレイスは、
- Coincheck NFT(β版)
- Adam byGMO(β版)
があります。
Coincheck NFTを利用する場合はウォレットを介す必要が無く、取引所とNFT売買を一本化することが可能であるほか、ガス代(手数料)がかからないためおすすめです。
5.NFTを購入する
NFTマーケットプレイスとウォレットを連携が終わったら、NFTを購入することができます。
NFTも仮想通貨のように価格が変動するため、購入するタイミングには十分注意しましょう。
NFTの将来性/今後どうなる?
NFTは、将来的に価値が高まる可能性があります。
2021年の総取引額は176億ドル(約2兆円)に達し、前年比21,000倍になりました。
また、NFTの代表的な取引サービスとして知られる「OpenSea」は、2021年1月の月次取引高約8億円から、翌月2月には約100億円と急速に成長したことで知られています。
現在、NFTで取引されている主なデジタルデータはアートやゲームなどですが、Twitterのツイートのように予想もしないものがNFTの対象になる可能性があります。
またデジタルデータの代替が不可能という利便性から、コンサートのチケットのようなものもNFTとして日常に浸透していくことも考えられます。
このように、NFTは長期的に見て価値が跳ね上がる可能性を秘めていると言えます。
NFTの活用分野/事例
NFTの活用分野や事例を紹介します。
ゲーム市場
NFTの活用分野の一つに、ゲーム市場があります。
ゲーム市場は、従来ゲームの価値をゲーム外に適応させることができませんでした。
NFTを活用することで、自分でゲームをプレイし育てた強キャラを第三者に販売して利益を出したり、他のゲームで活躍させたりすることが可能になりました。
代表的なNFTゲームに以下のようなものがあります。
- Sorare(ソラーレ):現役サッカー選手を扱うトレーディングカードゲーム
- The Sandbox(ザ・サンドボックス):サンドボックス(箱庭)ゲーム
- Axie Infinity(アクシー・インフィニティ):モンスター(アクシー)を戦わせて遊ぶ対戦型ゲーム
- Crypto Spells(クリプト・スペルズ):日本初のトレーディングカードゲーム
気になった方は、ぜひチェックしてみてください。
芸術・アート市場
NFTは、芸術・アート市場で普及が進んでいます。
コピーや複製ができないといったNFTの利点を活かして、盛んに取引が行われています。
実際に、NFTアートが75億円で販売されたといったような記録もあります。
日本国内では、村上隆さんなどの著名人がNFTアートを発表しており、これはNFTが徐々に広まっているといった兆しだと言えます。
トレーディングカード(トレカ)市場
NFTの活用分野の一つに、トレーディングカード(トレカ)市場があります。
人気アイドルグループ「SKE48」で、メンバーのトレーディングカードをNFTで販売するといった取り組みが行われました。
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所有しているトレーディングカードに資産価値が付くとあって、大きな反響がありました。
NFTの定義や仕組み、事例などのまとめ
この記事では「NFTの仕組みや特徴、将来性や活用事例」などについて解説してきました。
NFTには、
- デジタルデータの唯一無二性を証明できる
- デジタルデータに価値を付与できる
- データの破壊・紛失リスクが小さい
- 誰でも作品の作成や売買ができる
などのメリットがあり、まだまだ可能性を秘めているということがわかりました。
気になった方は、まずは気軽にNFTを始めてみてはいかかでしょうか。